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「井伏鱒二の短編小説「天井裏の隠匿物」は、戦後直後の混乱期を背景に、人間の欲望や生活の知恵、そして滑稽さを交えて描いた風刺的な作品です。この作品は、井伏の得意とする軽妙な語り口で、庶民のたくましさやしたたかさを浮き彫りにしています。
物語は、終戦後の日本、物資不足と混乱の時代を舞台にしています。語り手(主人公)は、ある民家の天井裏に大量の物資が隠されているのを偶然知ってしまいます。その「隠匿物」とは、米や衣類、生活用品など、当時は闇市でも高値で取引される貴重品ばかり。
この家の住人は、戦時中にこっそりとそれらを蓄え、戦後の混乱に乗じて私的に利用しようとしているのです。語り手は、隠匿物を発見したことで微妙な立場に置かれ、住人たちの打算や策略、そして自分自身の良心や処世術との間で揺れ動きます。
著者は、登場人物の行動をときに滑稽に、ときに冷ややかに描きます。隠匿物に群がる人間の姿を、道徳的に糾弾するというよりも、「まあ人間とはこういうもの」と一歩引いた距離感で見せています。
天井裏という密閉空間に隠された物資は、戦後日本における闇や矛盾の象徴とも読めます。誰もが生きるために必死で、しかしそれがときに卑小で見苦しくもなる——その人間模様が凝縮されています。
登場人物の感情を大げさに描くことなく、さりげなく日常の風景に溶け込ませるような筆致で、むしろ読者の想像力を刺激します。
この作品は、井伏鱒二の戦後文学の中でも、社会風刺的な短編として知られています。戦前の「山椒魚」や「荻窪風土記」などと比べると、より現実に根ざした人間描写が特徴的です。
また、「天井裏の隠匿物」は単に風刺小説としてだけでなく、戦争という非常時を生き延びるための庶民の知恵と矛盾を描いた一編としても読むことができます。」
槐書房・昭和49年9月500部(内185番)特別限定発行の井伏鱒二「天井裏の隠匿物」二重函・帙付きです。扉見返しに薄シミが少しありますが、ヤケは少なく、書き込み、蔵書印などもありません。本文用紙は土佐高岡手漉き和紙、本冊はクロス装です。
51年前の古書であることをご理解の上、購入の検討をお願いいたします。
| 商品の状態 | やや傷や汚れあり","subname":"目につく傷や汚れがある |
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